ヨーロッパ見聞第五話:食事のマナー
今回のドイツ訪問は会社であったので、家庭の料理を味わう機会がありませんでしたが。マナーについて述べます。 スープの食べ方 まったく音をたててないようにして食べる。それがマナーである。 熱くて食べられそうでない場合は、スプンでスープをすくって口のところに持ち上げて、そっと口で吹いて冷やして口を大きめにあけて口の中に流し込み音をたてないようにする。 <スープ>は大型の<テーブルス―ン>を<ペンのごとく執り掌を仰向けて卓上、手前より向こうへ掬い上げて口の中に流れ込む如くに食酢す。減るに従いて左手にてわずかに皿を傾けて掬う。食し終われば<スプーン?は、皿の中に仰向けて置くなり。このとき、ずるずると唇を鳴らして吸い込むは非礼なりとす、と言われている。 このよに気をつかってスープを飲むにもかかわらず、鼻汁をかむ(冬で風邪をひいている人が多くいた)のに、ハンケチで四方に聞こえるようにかむのには驚かされた。日本の場合はそっとかむようにきをつけるが、スープを食すときは音をたてる、比較して面白い。 ポテートの食べ方 ボイルドポテートが食事に出た場合、これをナイフで食べるのは招待(家庭では特に)された場合、失礼になるとのことであった。 ナイフで切って食べなければならないようにクックしていないと感ずるのだそうだ。 これに関連して私が新入社員の独身寮にいたとき、ライスカレーを食べる前にソースをかけたとき、寮母の三井さんに「味がソースをかけなければならないように悪くないと思う《と、注意されたことを思い出した。これもどこの国にも料理をいただくとき料理をしてくださった方の心遣いの思いをしなければと。 二十五年十月十七日
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