会社勤務していたとき、社内から選ばれた第一線リーダーの研修を担当したことがあります。 「お父さんの勉強は家族を動かす」を本当にしらされました。 ▼通信教育制度で、前期・後期の2回のスクーリング・通信による課題勉強(課題を与える・講師による添削指導・レポート返却)・以上の課程を終わって、所属部署でのスクーリング・フォローアップ研究によるものであった。 この期間中、研修生一人一人の上司にアドバイザーの選任を依頼して(マンツーマン方式)、勉学の手助けをする制度を作りました。 期間中は、研修所講師が手分けして研修生の所属する工場を巡回して、研修生・アドバイザーと面接して指導した。 研修内容の検討・効果をたしかめるために生活アンケートを行ったものによると平均毎日残業が一時間あり、学習時間が毎日二~三時間で、仕事の疲れや生活必要時間を考えると、かなり自分で工夫しているのがうかがわれた。 もともと自学自得を旨とした、研修で、身近な例でいえば、「鯛一匹を研修所で与えるつもりはない。鯛の釣り方を勉強してもらう」ということで、その点、自分たちなりによく工夫をしていた。 ▼彼らの工夫の例をあげますと 「通信レポートでは、もらったらすぐ手をつければよいのですが、ウィクディには仕事に疲れたりして、どうしても土・日曜日にたよりがちでした。大阪では研修生同士がお互いに助けあって学習の能率をあげようと、週一、二回日時を決めて勉強会を開いたことが、勉強の効果とともに楽しいおもいでとしてのこっている。大変プラスになった。」 「ある研修生は、四才になる子供がまとまりついてきて、入所時の宣誓書を本棚の上に貼っておいたところ、紙ヒコー機で飛ばされたり、とても勉強どころでありませんでしたので、休日ごとに岡山市の図書館に通って勉強しました、私自身もよく続いたと思うし、一方、家族も休日でも家庭サービスをしない父親に文句もいわず、よく協力してくれました。」 「鹿島の一人は、家に帰ると妻子がいて勉強にならないので、仕事を終わってからは空いている会議室を、休日にも事務所を利用するなどして、勉強する場所を工夫しました。また、テキストがくれば、具体的な毎日の計画を書き込む形でチェックしていく方法で、自分のペースをつかむように務めました。」 ▼研修期間中にアンケートを行い、その結果で驚いたことには 「職場で人や家族にほめられましたか」という質問に対し、職場もさることながら家族からほめられたという回答が意外に多かった。例えば「よくお酒が辛抱できますね」とか「昔よりおこらなくなりましたね」とか「お父さんはよく勉強するね」とか。私が見落としていたのはそこでした。会社の研修であると同時に、家族ぐるみの研修であったのではないかと。 私はもともと、研修は職場と研修生と研修所の三位一体だと考えていたのですが、実は家族を含めて四位一体だったのです。 表題に取上げましたが、お父さんが勉強すれば、お父さんのすがたが奥様、子供たち動かすものだと、担当した私は具体的に教えをいただいと。 何かの参考になればと思い、ささやかな体験をのべました。 平成二十三年三月二十三日 |