研修生が変わった


  私は、現役時代、K社の教育部門で全社の事務所・研究所・工場(北は新潟県・西は四国の愛媛県にわたる)で働いている三十歳前後の選抜された社員の研修教育を担当する部署:研修所にいました。

 教育のシステムは通信教育でした。約一年半の期間、通信教育と二回のスクーリング、講師の巡回指導(いまならテレビ指導を組み込めるだろう)を行いました。

 研修生は平素は各人の職場で仕事をしながら研修所から与えた課題を勉強していました。その間、研修所の講師が巡回して勤務している部署の上司・研修生と懇談して、様子をうかがったり、励ましたりしていました。

 スクーリングは倉敷にあった研修所に集合して約二週間の工場の寮での合宿・研修所での集合教育をしていました。その間、講師は順番に泊まり込み研修生と懇談していました。

 この期間は研修生が部署からぬけていますので、その分だけ他の社員に負担がかかっているのは当然です。それをよくカバーして協力していただいていました。

 研修生もよく理解していました。私も工場・研究所の勤務していましたから事情も分かっていました。

 スクリングではお互い見知らぬ従業員たちの交流を積極的に行わう仕組みを作り、実行しました。研修が終了しても、お互いのが同期のよしみを通して友情を深めていました。

 研修の専門知識の補講、中堅社員としてのリダーシップの心構えなどを指導していました。

 また、社会経験のために、禅寺での坐禅とか一泊二日の研修旅行をいたしました。また、社内外から、この人と思われる方に講演を依頼しまして、講和をお聞きして人格形成のための勉強などいたしました。

 このようにして、スクーリングが終わり、自分の部署に帰り自学することになります。

 私は、彼らが部署に出た初日に部署の全員にまず「留守中は大変ご迷惑をかけました。今後ともよろしくお願いいたします」と明るく、大きな声であいさつしなさいと助言しました。

▼その後、巡回してきいたことは部署の長から「研修生は変わりました!」と、お褒めの言葉を言われました。彼らは実行してくれたのです。

 また、研修生は、いままで話すことがめったになかった人から話しかけられるようになりましたと明るい声で話してくれました。

 私は嬉しくなりました。

 なぜ、私はこんな予想もしなかったことになったのかと考え込まさせられました。

 結論は「自分自身がいくら他の人に感謝の念があったとしても、口に出さなければ伝わらないものだ。性格的に口にだせなくても、その殻を打ち破って思い切って自分の本心を口にすると、みなさんの心もバイブレションするものだ。

 お読みいただいたみなさまも「自分が変わった」との素晴らしい体験をお持ちでしょう。是非お聞かせて下さい。

参考:K.S. 君との出会いと別れ

平成二十六年十一月二十八日

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