岡山師友・関西師友協会と私
改 訂 版 2023.01.07 改訂


 岡山県師友協会が『岡山師友 創立十五周年記念文集』 岡山県師友協会(昭和六十年十月十七日発行):会員六十八名中三十一名(私を含めて)が寄稿している。

  師友協会と私

               黒崎 昭二

 師友協会を知ったのは、安岡先生の著作の『活学』であった。大阪球場内の協会に申し込み入手したが年月は思いだせない。

 中国古典に関心を持っている友人にこの本の話をしたところ、是非読みたいとのことで貸した。購入したいのだが入手できないと言われて贈る。今でも大事にされている。

 五十八年、関西師友協会新井正明会長の講話録「先人の言葉に人生を学ぶ」を読んだ。

 ノモンハン事件で片足を切断されて陸軍病院にいる間に「大体こういう連中はひがむから、ひがませないように」ということでしょうが、当局でもいろいろ心配ををして、精神訓話を聞く機会を設けてくれました。大石順教さんという両手のない方がいます。その方が言われた言葉「手は借りることができるが、人格を借りることができない。手がなければ手を使わない仕事をやればよろしい。足がなければ、足を使わない仕事をやればよろしい」。これは、私には非常に響く言葉でした。

 「人格は借りることができない。足がなければ、義足というものを使えばいいんだ」ということです。

 左上膊切断創の私にも響く言葉であった。

 五十九年九月、倉敷市で「古典と経営」の講演を会長がされた。論語、孟子、戦国策、史記、菜根譚,山鹿素行修己治人訓、重職心得箇条(佐藤一斎)を引用されて経営の心と関連して信念をもって説かれた。

 私は強く感銘を受けた。会長のお考え、哲学を勉強したいと思い、著作の紹介とご指導いただくように手紙でお願した。

 有源講座シリーズのご著作、田中良雄(元住友常務)『職業と人生』をいただき、そのうえ、一般社団法人 関西師友協会への加入をすすめられ、今年から会員にしていただく。ときおり、手紙を差し上げご指導いただくようにつとめている。

 中学時代からの友人である岡山大学文学部児玉昭人教授に中国古典の素養のための勉強の希望をもらしていた。彼の碁友でもある廣常先生が岡山県師友協会で講師としてご活躍されていることを知らされた。昨年十月、早速、お目にかかり加入させていただいた。

 以上のように、一度は勉強の機会をつかみながら一歩踏み込みがたりなくて好機を逸した。しかしニ回目のチャンスはつかんだ。

 岡山県師友協会の目的の中に「(前略)現代人に正しい学問教養と時務に関する卓れた知見とを与え、(後略)」とあります。私は先達の方々に一歩でも二歩でも近づくように努力し、私の時務はなにかを考え、少しでも足跡を残したいものだと望んでいる。私は『行不由径』を実行したいものだと考えている。

 岡山県師友協会がこれからも発展することを期待するだけではなくて、会員の一人として、分に応じて貢献したいと思っている。

参考1:安岡正篤
参考2:★ノモンハンの夏 半藤一利
参考3:私の読書会参加

平成二十九年一月十九日

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